2022年3月17日

Linked Open Data チャレンジ 2021 実行委員会


【開催報告】LODチャレンジ2021
オンライン授賞式シンポジウム



 2022年3月13日(日)、Linked Open Data チャレンジ 2021 実行委員会は LODチャレンジ2021オンライン授賞式シンポジウム を開催いたしました。
 LODチャレンジ2021の受賞作品の表彰を行うとともに、受賞者の方々による作品紹介や技術解説が行われました。
 昨年度に引き続きオンラインでの開催となりましたが、多数の皆様にご参加頂き、企業活動や研究、シビックテック活動や個人での活動等においてデータを活用した様々な取り組みを進められてきた皆様に交流を深めて頂きました。
 当日のプログラム等の詳細はこちら、受賞作品一覧はこちらをご覧ください。



表彰及び受賞者による作品紹介


最優秀賞
プラチナスポンサー賞: オラクル賞(日本オラクル株式会社より提供)

作品名 学習指導要領LOD
応募者名 高久 雅生、大井 将生、榎本 聡、江草 由佳、有山 裕美子、阿児 雄之

審査講評
(最優秀賞)
GIGAスクール構想が推進される中で、デジタル庁が中心となり「教育データ利活用ロードマップ」を公開しており、日本の教育における「教育DX」に注目が集まっています。 そうした中で、初等・中等教育の学習指導要領と教育要領の内容・コード表という教科の設計図がLOD化されている意味は大きいと思います。 指導要領及びコードにURIが付与されるので、「教科書LOD」などとの連携による教育データの利活用の活発化が期待されます。
審査講評
(オラクル賞)
学習指導要領という用途の広い情報のモデル構築に貢献されているだけでなく、各リソース URI に対する HTML ページや英語の概要ページ、GitHub を使った issue 管理やサイト公開など、丁寧かつ独創的な LOD の作成手法であると評価しました。 今後、外部データとの連携や SPARQL エンドポイントの公開など、LOD 構築の見本となる活動として発展されることを期待しています。
副賞 最優秀賞:賞金5万円
オラクル賞:賞金3万円
発表資料 001.pdf


部門賞: データ作成部門 優秀賞
ゴールドスポンサー賞: オントロジー賞(オントロノミー合同会社より提供)

作品名 Wikipediaカテゴリオントロジー
応募者名 北海道大学大学院情報科学研究院知識ベース研究室
審査講評
(優秀賞)
本作品は、Wikipediaのカテゴリ構造の種々の問題に対し、知識工学的観点から主に手作業でカテゴリ階層を再構成した学術研究の結果作られたオントロジーです。 DBpediaとの対応もあり容易に組合わせて利用できますので、DBpedia活用者にとって有益であると考えられます。 今回は日本語Wikipediaが対象ですが、英語等の他言語のWikipediaへの応用、また日々更新されていくWikipediaへの対応に期待します。
審査講評
(オントロジー賞)
長年にわたるWikipediaに対するオントロジー作成への取り組みに、敬意を表し、今年のオントロジー賞に選定いたします。
副賞 優秀賞:賞金3万円
オントロジー賞:Amazonギフト券
発表資料 002.pdf


部門賞: データ作成部門 優秀賞

作品名 車載カメラとAIによる路傍の石造物調査
応募者名 小池 隆
審査講評 本作品では、路傍にある石造物を、車内カメラで撮影した車窓風景の動画から深層学習を用いて検出・データ化することで、広範囲にわたって効率的に収集・公開しています。 最新のAI技術を適用して欲しいデータを自らつくる仕組みを実現しており、アイデアと実践がうまく噛み合って素晴らしい作品になっています。
副賞 賞金3万円
発表資料 003.pdf


部門賞: データ活用部門 優秀賞

作品名 メディア芸術DBクイズ
応募者名 林 正洋
審査講評 文化庁メディア芸術データベースのSPARQLクエリサービスを活用したクイズ形式による情報の提示が、データベース自体を深く知るための呼び水になっている点を高く評価します。 着想だけでなく会話のシナリオがよく練られており、長く遊べるアプリケーションになっています。 他のデータにも適用してみたいと思わせられる魅力的な作品です。
副賞 賞金3万円
発表資料 004.pdf


部門賞: データ活用部門 優秀賞

作品名 由来のわかる地名カルタ「言の場」
応募者名 青島 英和
審査講評 日本の地名の由来を、雅びなデザインのカルタと年代別などの地図を通して学べるユニークな作品です。 UI/UXの工夫や丁寧に作られた作品紹介ページにより、誰でもすぐに楽しめます。地理や歴史に関する様々なデータが活用され、そのAPIも公開されているなど、データ活用部門に相応しい作品として評価しました。 RDFデータやSPARQLエンドポイントへの対応による、LODコミュニティとの新たな繋がりにも期待します。
副賞 賞金3万円
発表資料 005.pdf


部門賞: データ活用部門 優秀賞

作品名 MetaStanza
応募者名 片山 俊明、守屋 勇樹、川島 秀一
審査講評(基盤技術部門 優秀賞) 本作品は、LODに対する検索結果をノーコードで表やチャートなどに可視化し、パーツ化してサイトに埋め込むことができるツールです。 様々な可視化を行ってきた開発者の目線から、可視化の際にあると嬉しい機能が盛り込まれたベストプラクティスを提供しており、LODユーザに大きな影響を与える優れた作品です。 今後、より多くの作品に再利用される基盤となることを期待しています。
副賞 賞金3万円
発表資料 006.pdf


テーマ賞: 公共LOD賞

作品名 国勢調査 年齢別人口のきれいなデータ
応募者名 林 正洋
審査講評
(LODコミュニティ賞)
国勢調査における自治体の年齢各歳別・男女別人口データは、調査年ごとに集計方法や表彰項目などデータの持ち方がバラバラで、時系列で比較を行うには前処理が必須です。 e-Statで公開されている1980年から2020年までのすべての自治体の年齢各歳別・男女別人口データの表彰項目や値の表示形式を「きれい」に揃えて、時系列比較の分析を行いやすくしたデータセットです。 人口統計による分析やアプリケーション開発が活発になることが期待されます。
副賞 賞金1万円
発表資料 007.pdf


テーマ賞: オープンサイエンス賞

作品名 プレスリリース論文の可視化
応募者名 渡邊 勝太郎、松本 尚也
審査講評 JSTと理化学研究所がプレスリリースとして発表した論文について、その後の論文引用情報を収集して可視化したサービスです。 引用情報のオープンデータであるOpenCitationsや雑誌情報のSJRのデータを組合せ、引用論文の共通点や特性を直感的に分かりやすく可視化しています。 オープンデータを活用したデータ解析のチャレンジであり、今後の活躍に期待します。
副賞 賞金1万円
発表資料 008.pdf


テーマ賞: カルチャーLOD賞

作品名 Lemonade
応募者名 宮野 慧
審査講評 「アサルトリリィ」はアクションドール、アニメ、ゲーム、舞台などを含むメディアミックス作品であり、これに対応した多種多様な情報がLODとしてうまくまとめられています。 本作品を利用した実際のファンサイトは見栄えや検索性だけでなくIME辞書作成機能などのユニークな機能も備えており非常に完成度が高いです。 LODの技術がこのようなファン活動を支えている好例として、今後も精力的に活動されることを願っています。
副賞 賞金1万円
発表資料 009.pdf


テーマ賞: LODプロモーション賞

作品名 Virtuoso on GCP: Faster with Container-Optimised OS
応募者名 久保川 一良
審査講評 RDFトリプルストア構築のハードルを下げることは、LODの普及のための重要な要素の一つです。 本作品は、代表的なトリプルストアであるVirtuosoを自前で構築するための先行事例をさらに改良したものであり、技術面でのアプローチのしやすさと、インストール及びデータロードの速度向上が見込める優れたアイデアとして評価いたしました。 他の様々なクラウドサービスにも応用できそうです。今後さらなる発展を期待いたします。
副賞 賞金1万円


テーマ賞: マルチメディアLOD賞

作品名 聴く小倉百人一首LOD
応募者名 高橋 菜奈子
審査講評 2017年から継続的に拡張されている「小倉百人一首LOD」シリーズに、今年は新たに日本語と英語の音声データが追加されました。 音声データの追加に必要となる語彙整備やデータ作成には、ゲームアプリケーション等での活用を考慮した工夫がなされています。 小倉百人一首というテーマで、LODのグローバルでの更なる活用の可能性を示している本取組みを高く評価いたしました。
副賞 賞金1万円
発表資料 011.pdf


テーマ賞: グルメLOD賞

作品名 食議論データ(郷土料理)
応募者名 河村 郁江、白松 俊
審査講評 食に関する議論の参考情報を構造化するタスクオントロジーを設計し、郷土料理を議題例に作成されたデータセットです。 本作品は食生活の理解を深めるためだけではなく、各地の郷土料理を深く知ることのできる資料としても有用です。 今後、更なるデータの拡充とともに他の料理へ適用したデータセットの作成などにより、食の分野に大きく寄与されることを期待します。
副賞 賞金1万円
発表資料 012.pdf


テーマ賞: コミュニティ賞

作品名 S×UKILAM:Primary Source Sets / スキラム連携:多様な資料を活用した教材アーカイブ
応募者名 大井 将生
審査講評 本作品には、学びのネットワーク構築を目指して、図書館・博物館・文書館などの多様な資料を活用することで教材コンテンツを整備する活動の成果物がまとめられています。 オープンデータを利用した教材コンテンツを整備し、それらの活用を広める活動は、オープンデータの価値を高めるとともに社会における普及と整備促進に大いに役立ちます。 さらに、IIIFに対応した活用性の高いアーカイブを構築していることも評価しました。今後、継続的な活動でコンテンツが拡充されること、また学習指導要領コードなどと連携したLODとして発展することを期待します。
副賞 賞金1万円
発表資料 013.pdf


学生奨励賞

作品名 仮面ライダー&スーパー戦隊の怪人の生物モチーフ
応募者名 機神 飛柊
審査講評 特撮ヒーローの敵役の怪人を、そのモチーフについてまとめたデータセットです。意外な動物をモチーフした怪人が複数の作品で登場しているなどの発見があり、その着眼点のユニークさを高く評価しました。 応募者の「好き」という思いを大事にして、今後もRDF化や他データへのリンクを含むデータの拡充などの更なる発展を期待しています。
副賞 賞金1万円


学生奨励賞

作品名 熱海市のイベント、ホテルの場所、ペット施設の場所、観光場所
応募者名 内藤 麻里亜、長曽我部 栞香、原科 蒼衣
審査講評 ペット同伴での熱海市観光を想定したアプリとデータセットの作品です。 宿泊施設のデータにはペット対応可否といった有用な情報が含まれていたり、アプリの方もホテルや動物病院を地図から、イベントをカレンダーから探すことができる実用性が高い作品に仕上がっています。 ペット対応可否の情報はペットの種類や大きさでさらに分類が可能ですし、宿泊施設以外へも拡大できるかもしれません。コロナ後を見据えて、熱海市観光を盛り上げるよう発展を期待しています。
副賞 賞金1万円
発表資料 015.pdf


学生奨励賞

作品名 島田市内の病院情報
応募者名 青島 圭那、久保田 海愛、松村 侑奈
審査講評 静岡県島田市の医療機関や薬局等のデータを自分たちで作成し、それらのデータを活用して上質なアプリを構築した点を評価しました。 アプリの中でも一番目を引く症状検索ゲームは、症状を入力すると該当する診療科を提示し、さらにその診療科に対応する島田市内の医療機関を地図上に一覧表示してくれるもので、もう少し工夫を加えれば有用なアプリとなることが期待されます。 アプリはフリー素材もうまく使用し、さわやかな仕上がりとなっています。
副賞 賞金1万円
発表資料 016.pdf



スポンサートーク

プラチナスポンサーの日本オラクル株式会社様、ゴールドスポンサーのオントロノミー合同会社様、Code for Japan様より、各団体の取組についてご紹介いただきました。




LODチャレンジ2021実行委員挨拶、活動報告等

実行委員長の古崎より開会のご挨拶及び活動報告を、審査委員長の武田より閉会のご挨拶を行いました。




本件に関するお問い合わせ先

Linked Open Data チャレンジ 2021 実行委員会 事務局
office@lodc.jp